千葉市美術館30周年

2025年、千葉市美術館は開館30周年

千葉市美術館は、2025年11月3日(月・祝)に開館30周年を迎えます。これまで開催してきた特色ある展覧会の根幹には、「近世から近代の日本絵画と版画」、「1945年以降の現代美術」、「千葉市を中心とした房総ゆかりの作品」という3つの大きな柱によるコレクションがあります。開館30周年を記念する2025年の展覧会では、このコレクションをテーマを設けてご紹介するとともに、さまざまなアートとの関わり方をとおして千葉のまちや人々とともに成長してきた千葉市美術館の軌跡を振り返り、未来へつなげていきます。


開館30周年記念
ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード

会期:2025年3月22日(土)〜5月18日(日)

スロバキア共和国の首都ブラチスラバで2年毎に開催される、世界最大規模の絵本原画コンクール「ブラチスラバ世界絵本原画展」(略称BIB=Biennial of Illustrations Bratislava)を紹介する展覧会。2023年10月から12月にかけて現地で開催された「BIB 2023」(第29回展)に日本代表として参加した、荒井良二、きくちちき、ザ・キャビンカンパニー、たじまゆきひこら10組の絵本と原画作品とインタビューを通じて明らかになった創作の背景を紹介。加えて、国際審査で選ばれるグランプリをはじめとする各賞受賞作家の作品を展覧し、世界のイラストレーションの動向やその魅力を浮き彫りにします。

パロマ・バルディビア《問いかけの本》(グランプリ)2022年 ©Paloma Valdivia

堀川理万子《海のアトリエ》2021年 ©堀川理万子

同時開催 開館30周年記念
ノック ノック!千葉市美術館をたのしむ4つの扉

会期:2025年3月22日(土)〜5月18日(日)

企画展「ブラチスラバからやってきた! 世界の絵本パレード」と同時に開催され、また開館30周年を迎える年の最初の企画である本展覧会では、所蔵作品と美術館を楽しむ視点を、いつもとはちょっと違うアプローチから提案します。

横山華山《天橋立・富士三保松原図屏風》文政5年(1822) 千葉市美術館蔵


開館30周年記念
江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ

会期:2025年5月30日(金)〜7月21日(月・祝)

2025年の大河ドラマの主人公ともなる蔦屋重三郎は、西村屋与八など老舗の版元たちがしのぎを削る中、新興の版元として出版界に彗星の如く現れ、斬新な作品を次々と世に送り出しました。本展では、蔦屋重三郎が活躍した「浮世絵の黄金期」を中心に、鳥居清長や喜多川歌麿らの美人が、東洲斎写楽による役者絵を一堂に展観。あわせて、初期浮世絵から江戸時代後期までの名品を集め、浮世絵史も総覧します。

(左)東洲斎写楽《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》寛政6年(1794) 千葉市美術館蔵
(右)喜多川歌麿《当時三美人 富本豊ひな 難波屋きた 高しまひさ》寛政5年(1793) 千葉市美術館蔵

東洲斎写楽《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》寛政6年(1794)、千葉市美術館蔵

喜多川歌麿《当時三美人 富本豊ひな 難波屋きた 高しまひさ》寛政5年(1793)、千葉市美術館蔵

喜多川歌麿『画本虫撰』天明8年(1788) 千葉市美術館蔵

同時開催 開館30周年記念
日本美術とあゆむ―若冲・蕭白から新版画まで

会期:2025年5月30日(金)〜7月21日(月・祝)

開館30周年を記念し、コレクションの中から江戸時代から明治・大正にかけて制作された日本の絵画・版画の名品を展観します。伊藤若冲・曾我蕭白ら奇想の絵師たちによる絵画、大正時代に興隆した新版画など、各分野を代表する名品を一挙公開し、この30年における千葉市美術館の収集、調査研究、公開活動も網羅的に紹介します。

(左)伊藤若冲《鸚鵡図》宝暦(1751 – 64)後期〜明和期(1764-72)頃 千葉市美術館蔵
(右)吉田博《光る海 瀬戸内海集》大正15年(1926) 千葉市美術館蔵

伊藤若冲《鸚鵡図》宝暦(1751 – 64)後期〜明和期(1764-72)頃 千葉市美術館蔵

吉田博《光る海 瀬戸内海集》大正15年(1926) 千葉市美術館蔵


開館30周年記念
千葉市美術館と現代美術

会期:2025年8月2日(土)〜10月19日(日)

1995年に開館した千葉市美術館での現代美術の歩みを草間彌生、河原温、田中敦子、中西夏之、河口龍夫、小清水漸、菅木志雄、杉本博司、辰野登恵子、吉澤美香ら重要なコレクションを通じて紹介します。市指定文化財である美術館1階のさや堂ホール(旧川崎銀行千葉支店)では、過去の企画展を再現したインスタレーションを行います。

草間彌生《最後の晩餐》1981年 千葉市美術館蔵

「超克するかたち―彫刻と立体」展示風景 1997年 撮影:内田芳孝


開館30周年記念
千葉美術散歩

会期:2025年11月1日(土)〜2026年1月8日(木)

千葉市美術館がある「場」をテーマとした展覧会。黎明期の洋画家・堀江正章が指導を行った旧制千葉中学校、ビゴーの滞在で知られる稲毛、戦後の千葉アートシーンの拠点となった国松画廊などを関連する作品とともに紹介。千葉市美術館を介して過去と未来が地続きにつながるさまを展望します。

ジョルジュ・ビゴー《稲毛海岸》明治36年(1903) 千葉市美術館蔵

無縁寺心澄《菅谷元三郎の家》昭和前期 千葉市美術館蔵


開館30周年記念
ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン所蔵

ロックフェラー・コレクション花鳥版画展
北斎、広重を中心に

2026年1月17日(土)〜3月1日(日)

1877年創立の美術大学ロードアイランド・スクール・オブ・デザインには、約4,000点の日本美術品が所蔵され、特に浮世絵版画のコレクションは膨大であり、なかでも地元出身の資産家ジョン・ロックフェラーの妻アビー・オルドリッチ・ロックフェラーの花鳥画コレクションが知られています。本展ではこのユニークなコレクションから葛飾北斎、歌川広重らの浮世絵師による選りすぐりの花鳥画約160点を紹介します。

(左)葛飾北斎《枝垂桜に鷽》天保5年(1834)頃 ロードアイランドスクールオブデザイン蔵 Courtesy of the RISD Museum, Providence, RI.
(中央)歌川広重《烏瓜に目白、芍薬に小鳥》天保3~6年(1832-35) ロードアイランドスクールオブデザイン蔵 Courtesy of the RISD Museum, Providence, RI.
(右)歌川広重《雪中椿に雀》天保3~6年(1832-35) ロードアイランドスクールオブデザイン蔵 Courtesy of the RISD Museum, Providence, RI.

葛飾北斎《枝垂桜に鷽》天保5年(1834)頃 ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン蔵 Courtesy of the RISD Museum, Providence, RI.

歌川広重《烏瓜に目白、芍薬に小鳥》天保3~6年(1832-35) ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン蔵 Courtesy of the RISD Museum, Providence, RI.

歌川広重《雪中椿に雀》天保3~6年(1832-35) ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン蔵 Courtesy of the RISD Museum, Providence, RI.

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