その他のプログラム
さや堂ホール展示プロジェクト

ハナムラチカヒロ 地球の告白

2018年11月1日[木]-11日[日]

ランドスケープアーティスト・ハナムラチカヒロによる、美術館初の個展!
いま話題の「月周回軌道」×「アート」の視点から、自らと対話し、「地球の声」を聞く空間が生まれます。

会期

2018年11月1日[木]-11日[日]

休館日

11月5日[月]

会場

1階さや堂ホール

観覧料

無料

主催
千葉市美術館
協力
一般社団法人ブリコラージュ・ファウンデーション、大阪府立大学花村研究室、大阪府立大学生産技術セン ター、 常翔学園高等学校、千葉大学文学部行動科学コース阿部研究室
制作協力
ni:naruki 住友翔次郎
技術協力
グローバルサイエンスユニオン合同会社 梶原勇希
特別協力
サヘル・ローズ

1968年、アポロ8号が月の周回軌道から「地球の出」を撮影しました。人類が地球に外から初めてまなざしを向けた歴史的な瞬間です。その年から本年はちょうど50年を迎えます。

地球は回転しながら一定の周期で動き続け、その上で様々な出来事が日々起こります。私たちはその動きを直接見ることができませんが、様々に刻まれるリズムの中ですべての生命は共に生きています。

本展示ではフーコーの振り子をモチーフに、地球の動きを感じながら、地球のリズムと私たちのリズムについて想いを馳せるような時間を生み出すことを試みます。

 

アーティストメッセージ

はじめての美術館での展示ということで「美術館とはどういう場所なのか」ということを考える場にしたいと思っています。美術館とは日常空間からは距離をおいて、自分の心の中を覗いていく場所なのではないでしょうか。そのように考えると、美術館は教会や寺社といった宗教施設に近いのではないか。美術館を、自分の内面や自然の法則と向き合うような場所であり、宇宙への入り口として考えて制作しました。

また、今回の展示と同時に「1968年 激動の時代の芸術」を開催していますが、この1968年という時代には以前から興味を持っていました。

1968年、アポロ8号が月の周回軌道から「地球の出」を撮影しました。人類が、はじめて外から地球をまなざした、という画期的な瞬間から50 年。地球の問題はこの半世紀のあいだに良くなっているでしょうか?普段生活している中で、地球自体に目を向けることはあまりありませんが、改めてまなざしを地球に向け、ヒューマンスケールを超えた大きな存在に思いを馳せることがいま重要なのではないでしょうか。

今回の展示では、そのモチーフとして地球の自転を可視化する「フーコーの振り子」を採用しました。大地が動いて、常に変化していくことを意識して、大きな存在に思いを馳せる空間、時間を目指しています。

また、展示の重要な要素として「告白」を取り入れました。教会には告解室(懺悔室)があり、そこは普段隠している、人に言えないような罪、後悔、積年の思いを開放する場所でもあります。アポロ8号によって外から地球を見たように、自分が地球の外側にいることを想像し、そこで内面を告白することでありのままを受け入れて、次に向かう入り口となることを願っています。美術館は自分の心と向き合う場所であってほしい、芸術家はその助けができる存在なのではないか、と思っています。

 

関連イベント

■アーティストトーク「これからの地球のことを」
11月4日[日]16:00 – / 11階講堂にて/先着150名/聴講無料
【第一部】レクチャー「まなざしのデザイン」講師:ハナムラチカヒロ
【第二部】トーク「これからの地球のことを」ゲスト:鎌田東二(宗教学者) 
宗教学者の鎌田東二氏を迎えてこれからの地球のことをテーマに対話します。地球や宇宙のようなヒューマンサイズを上回る存在や、目に見えない現象に対する想像力を巡って芸術や科学や宗教などの領域を超えて話題を展開します。

■パフォーマンス「地球に捧げる回転」
11 月11 日[日]14:00- /さや堂ホールにて/先着80名/観覧無料
【パフォーマー】Emine /ハナムラチカヒロほか
イスラムのスーフィズムに伝わる祈祷をベースにした旋回舞踊と、お寄せいただいた告白の一部を朗読します

■展示参加プログラム「わたしたちの告白」
私たちは心の中に誰にも話したことがない秘密を持っています。 
ずっと胸に抱えてきたこと、伝えられなかったメッセージ、どうしても許せなかったこと、忘れてしまいたいようなこと、誰かに知ってほしいこと…。
これまで告げられることなく胸の内に秘かに抱いていた想い。 
そんな想いを地球に向かって“匿名” で告白しませんか? 

 

プロフィール
ハナムラチカヒロ

1976年生まれ。ランドスケープデザインをベースに、風景へのまなざしを変える「トランスケープ/ TranScape」という独自の理論や領域横断的な科学研究に基づいた表現活動を行う。大規模病院の入院患者に向けた霧とシャボン玉のインスタレーション、バングラデシュの貧困コミュニティのための彫刻堤防などの制作、モエレ沼公園での花火のプロデュース、世界各地の聖地のランドスケープのフィールドワーク、市街地の集団パフォーマンスなど領域横断的な表現を行うだけでなく、時々自身も俳優として映画や舞台に立つ。

「霧はれて光きたる春」で第1回日本空間デザイン大賞・日本経済新聞社賞受賞。主な著書に『まなざしのデザイン:〈世界の見方〉を変える方法』(2017年、NTT 出版)。

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