企画展

パウル・クレー 東洋への夢

2009年5月16日[土] – 6月21日[日]

会期

2009年5月16日[土] – 6月21日[日]

※この展覧会は終了しました

休室日

6月1日[月]

観覧料

一般800円(640円) 大学生、高校生560円(450円) 小・中学生無料

※( )内は団体30人以上・前売料金および千葉市内在住60才以上の方

※前売券は千葉市美術館ミュージアムショップ(5月10日まで)、千葉都市モノレール「千葉みなと駅」「千葉駅」 「都賀駅」「千城台駅」の窓口(6月21日まで)にて販売

主催
千葉市美術館
後援
スイス大使館、日本パウル・クレー協会
協力
スイス・インターナショナル・エアラインズ

 1902年、22歳のパウル・クレーは、旅先のフィレンツェでヨーロッパ公演中だった川上音二郎一座の舞台を観て、主演の貞奴と日本の演劇から強い印象を受けました。おそらくクレーにとってこの体験が、「日本」と直接的に触れた最初の機会と推測されます。そして続く1905年~08年頃には、北斎漫画をはじめとする浮世絵をモデルにした作画上の試みを数点手掛けています。

 クレーは個人コレクターや出版物を介して浮世絵を知る機会をもったようですが、最初期にはフランス印象派、後期印象派の影響を強く受けており、浮世絵の構図を援用したゴッホの作品などからも間接的に日本美術を学んだといわれています。線描による造形を探究していた初期のクレーにとって、北斎漫画の巧みなスケッチが格好の手本となったことは容易に想像されます。 20世紀初頭のヨーロッパでは日本や中国の美術を紹介する書籍が相次いで出版されており、後年クレーの書架にも中国文化関連の書籍が並んでいたといいます。またクレーが、漢詩の世界に強く惹かれていたことも広く知られています。

 本展は、スイス、ベルンにあるパウル・クレー・センターの協力のもと、これまであまり注目されることのなかったクレーと日本・中国文化との接点に焦点をあてます。線描画家として頭角を現しつつあった初期作品に浮世絵からの直接的な影響を確かめるとともに、色彩画家として成熟した中期以降の作品に見られるアジア的なかたち(カリグラフィー、省略、シンボルといった要素)にも注目し、パウル・クレーと東アジア文化を結ぶ糸をたぐり寄せます。デッサンや水彩画などクレー自身の作品約90点に加えて、本展に出品されるクレー作品と関連する浮世絵版画等も展示します。

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