満寿夫・マスオ・MASUO -『池田満寿夫』理解のための三章-
2008年4月5日[火] – 5月18日[日]
会期
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2008年4月5日[火] – 5月18日[日] ※この展覧会は終了しました |
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休室日
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4月7日[月]、5月7日[水] |
観覧料
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一般200円(150円) 大学生・高校生150円(120円) 小・中学生無料
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主催
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千葉市美術館
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「池田満寿夫 知られざる全貌展」開催にあわせ、当館が所蔵する現代美術作品のなかから、池田満寿夫の多面的な活動をご理解いただけるよう、関連する動向を中心に、3つのコーナに分けて展示します。
1.「満寿夫」の章―デモクラート美術家協会
池田満寿夫が参加した「デモクラート美術家協会」(1951年から57年まで活動)は、戦前から実験的な美術作品を制作していた瑛九(えい きゅう 1911-60)を中心に若者たちが結集した、エスペラント語で「民主主義」を意味する美術集団です。池田満寿夫は会の活動末期、56年に参加しました。メンバーとしての活動期間は短いものでしたが、彼はこの会で瑛九から色彩銅版画の制作をすすめられ、大きな影響を受けています。彼だけではなく、このグループに集った若者たちはその後、それぞれの道に進んでいます。このコーナーでは、靉嘔(あい おう 1931生)、磯部行久(いそべ ゆきひさ 1935生)、吉原英雄(よしはら ひでお 1931-2007)たちの作品を展示します。
2.「マスオ」の章―詩画集『あんま―愛慾を支える劇場の話』
1960年代、舞踏家・土方巽(ひじかた たつみ 1928-86)の周囲にはたくさんの芸術家が集まり、舞踏公演の際にはポスターや衣装、プログラムなどに協力していました。池田満寿夫も参加した詩画集『あんま―愛慾を支える劇場の話』は、土方の舞踏生活10周年と「土方巽と日本人―肉体の叛乱」の公演を記念して1968年に制作されました。6人の文学者とマスオをはじめ7人の造形作家が協力した詩画集は、60年代の熱気を今も伝えています。このコーナーでは詩画集全点と瀧口修造(たきぐち しゅうぞう 1903-79)、加納光於(かのう みつお 1933生)、中西夏之(なかにし なつゆき 1935生)たちの作品を展示します。
3.“MASUO”の章―マルセル・デュシャンの銅版画集『恋人たち』
池田満寿夫の版画作品には女性や愛がテーマとなっている作品が多いことはよく知られています。また、彼の作品の内容ばかりではなく、その制作点数の多さや多方面にわたる精力的な活動は20世紀絵画の巨匠であるパブロ・ピカソ(1881-1973)を連想させます。
20世紀の美術は、このようなピカソ的なタイプの対極に位置するアーティストの代表的な存在として、マルセル・デュシャン(1887-1968)がいます。寡作、難解な彼の活動とその作品はしばしば「現代美術の源流」と呼ばれています。その彼が亡くなる年の1968年、PICCASOやMASUOが多くの作品のテーマとした「恋人たちの交歓」による連作版画を制作しています。このコーナーではMASUOの表現との違いを考えるために、彼の銅版画集『恋人たち』を中心に展示します。