井上尚子|記憶の標本室 ― Life is Smell project ― KUNKUN Laboratory
2025年2月12日[水]-6月1日[日]
会期
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2025年2月12日[水]-2025年6月1日[日] |
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休館日
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3月3日[月]、4月7日[月]、21日[月]、5月7日[水]、19日[月] |
観覧料
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無料 |
会場
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4階 子どもアトリエ |
主催
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千葉市美術館 |
音楽制作
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Vegetable Record |
つくりかけラボは、「五感でたのしむ」「素材にふれる」「コミュニケーションがはじまる」いずれかのテーマに沿った公開制作やワークショップを通して空間をつくり上げていく、参加・体験型のアーティストプロジェクトです。いつでも誰でも、空間が変化し続けるクリエイティブな「つくりかけ」を楽しみ、アートに関わることができる表現の場です。
今回は、’匂いと記憶のアーティスト’井上尚子さんをお迎えし、匂いによる個人の記憶が集積する空間「記憶の標本室」をつくります。目の見える人が受け取る情報の約8割が視覚によるものともいわれ、匂いや嗅覚については、日頃あまり深く考える機会はないかもしれません。一方で、嗅覚は個人の記憶と強く結びつき、それゆえ他者と共有することが難しい体験であるとされます。「記憶の標本室」では、会場に集められた個々の記憶とそれにまつわる匂いに触れることで、他者への想像力をたくましくし、同時に自分の内にある記憶へと心を向けることができるでしょう。
本プロジェクトでは、会期に先立ち、音楽ユニットVegetable Recordのお二人とともに美術館周辺及び館内をリサーチしました。その時に集められた匂いの記憶が音楽作品となって空間を演出します。可視化できない匂いと音のリズムを体感し、新たな発見をお楽しみください。
アーティストからのメッセージ
地域文化からそこに生きる人々の匂いの記憶を収集し、匂いの記憶図鑑を空間作品として制作。
収集作業はラボのオープン半月前から開始。
約三ヶ月で変化する来場者の記憶が流動し、この場で新たに生まれる記憶も収集していきます。
一人一人が歩む人生を、生い立ちから現在、未来に至るまで、経験してきた匂いについて、その背景や状況、心情などを思い出し、順を追って記憶を解析すると、個性や人柄、地域との繋がりや未来への歩み方が見えてくるように思います。そして、自ずと街の情景や文化は人々が時間と共に構築した軌跡として表出してきます。
嗅覚は、自分でしか体験できない神経感覚のため、他者と共有できないからこそ、全てが素直に感受した正解の記憶。
ついつい正解、不正解の回答を求めてしまう現代ですが、唯一無二の経験が大切な未来の要素となり、一人一人の記憶が未来創生の大切なピース(一片)を担っていきます。
匂いの記憶を見つめる時間は、自分と対峙すると同時に他者や環境へ気を配る心を育みます。
井上尚子(美術作家)
13(木)、15(土)、16(日)、27(木)
【3月】
1(土)、2(日)、22(土)、23(日)
※4月以降については、あらためてお知らせいたします。
※休憩やイベント等不在の場合もございます。
※急きょ予定が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
環境、文化、歴史を匂いの記憶から楽しむ「くんくんウォーク」を教育機関、美術館、図書館、植物館、企業,公園、空港など国内外で開催。2024年「めぐる身体。めぐる丸の内」展@東京藝術大学+YAU、「語るにおい、街のきおく」展@ONO POINT ART SPACE、他、早稲田大学、群馬県立女子大学、東北大学、玉川大学にてゲストレクチャー、「匂いと記憶で歩く青森」@トランヴェール(JR東日本新幹線車内誌)。2023年「Life is Smell 素数の森」@国際芸術センター青森【ACAC】、インクルーシブ・プログラム@横須賀美術館、障害児支援運営委員会で開催。2022年 渋谷公園通りギャラリー、千葉市美術館、横須賀美術館、森美術館等でWSと展示。2017年Museum Villa Stuck in Munich にて「The Library of Smell」(共同制作:白須未香+柴山拓郎)展覧会+WS開催。WWFジャパンと全国の動物園にて「においでめぐる動物園」開発・実施(2019年グッドデザイン賞受賞)。2018年、The Art and Olfaction Awards 2018 finalist in London、六本木アートナイト2018参加。https://kunkunwalk.jimdoweb.com/
photo:うつゆみこ
「音楽の新しい楽しみ方・価値観を創る」をコンセプトに掲げた、音楽レーベル。音楽ユニット。ソロアーティストのSyotaro Hayashi(写真左)とRyota Mikami(写真右)により設立。デジタル/商業空間/プロダクトなどあらゆる対象を、CD/カセット/レコードと同じ音楽のメディアとして捉え、建築空間やプロダクトに対して音楽作品をリリースするように「音楽を使った空間デザイン」「音楽を使ったプロダクトデザイン」などを手がけています。ワークショップやライブ、インスタレーションも多数開催。
www.vegetablerecord.com