作家名 |
曾我 蕭白
そが しょうはく
SOGA Shohaku
[1730-1781]
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作品名 |
虎渓三笑図
こけいさんしょうず
The Three Laughters of Tiger Ravine
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技法/材質 |
紙本墨画 1幅
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寸法 |
132.5×56.3cm
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制作年 |
安永期(1772~81)頃
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受入年度/種別 |
平成08年度/購入
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分類 |
近世までの絵画
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所蔵品番号 |
2961007
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橋の上の3人の人物に気づき、そのポーズから笑っていることに思い至れば、「虎渓三笑」の故事を描いたものとわかる。虎渓三笑とは、盧山に住む慧遠法師を陶淵明と陸修静が訪れた帰り、慧遠法師が二人を送る途中、話に夢中になって越えないことにしていた虎渓を過ぎてしまい3人で大笑いしたという故事である。儒仏道の三教一体を表す故事で、陶淵明は儒教、慧遠法師が仏教、陸修静が道教を表す。そしてその故事に気づいて、李白「盧山の瀑布を望む」にうたわれたように、盧山が滝でも有名だったことを思い出すと、画面に大きく描かれた滝が急に意味を持って見えてくる。故事をよく理解した人々が蕭白の絵を求めたのであろう。サインペンで描いたような山、塗り残しの白さを生かした岩肌や雲の表現もみどころである。画風、印章から蕭白晩年の安永期の作とみられる。 (『千葉市美術館 所蔵作品100選』 2015年)