作家名 |
葛飾 北斎
かつしか ほくさい
KATSUSHIKA Hokusai
[1760-1849]
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作品名 |
『絵本隅田川両岸一覧』
すみだがわりょうがんいちらん
Picture Book of Both Banks of the Sumida River at One Glance
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技法/材質 |
美濃判彩色摺絵入狂歌本 袋綴3巻3冊
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寸法 |
各26.5×18.1cm
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制作年 |
文化期(1804~18)
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受入年度/種別 |
平成06年度/購入
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分類 |
版本/画本・絵入版本
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所蔵品番号 |
2945003
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隅田川の西岸から見た東岸方面に向かっての眺めを、最初図の「高輪の暁烏」から次第に川をのぼり、「吉原の終年」まで、春から冬までの季節の変化と合わせながら画面を展開させた狂歌絵本。豪華な色摺で、3冊の袋綴という通常の版本の形式をとっているが、各見開き図が前後の図とつながる図柄になっており、図を並べていけば絵巻物のように長く連続する画面となる。手前の西岸では人物を中心に行楽の場としても人気のあった隅田川沿いの賑わいを活写し、東岸の方は風景画としておだやかに展開させる。風俗画と人物画の融和こそ隅田川景観の魅力をあますところなく伝える手法であった。
序を記したのは壷十楼成安、狂歌号から浅草庵市人率いる壷側の狂歌師と目され、絵の上部に狂歌を寄せた他の狂歌師もそれに近い人物らしい。著名な狂歌師の名はないことから、版元主体ではなく、半ば私家版として狂歌師たちがお金を出した、いわゆる入銀物の出版と推測される。
初版に奥付はないが、序文中に「仙鶴堂のあるし」と記され、また慶應義塾高橋誠一郎コレクションに鶴屋喜右衛門の包紙が蔵されていることから、鶴屋喜右衛門と判明する。
序を記したのは壷十楼成安、狂歌号から浅草庵市人率いる壷側の狂歌師と目され、絵の上部に狂歌を寄せた他の狂歌師もそれに近い人物らしい。著名な狂歌師の名はないことから、版元主体ではなく、半ば私家版として狂歌師たちがお金を出した、いわゆる入銀物の出版と推測される。
初版に奥付はないが、序文中に「仙鶴堂のあるし」と記され、また慶應義塾高橋誠一郎コレクションに鶴屋喜右衛門の包紙が蔵されていることから、鶴屋喜右衛門と判明する。