作家名 |
伊藤 若冲
いとう じゃくちゅう
ITO Jakuchu
[1716-1800]
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作品名 |
『乗興舟』
じょうきょうしゅう
JOKYOSHU (Impromptu Pleasures Afloat)
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技法/材質 |
紙本木版正面摺 1巻
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寸法 |
28.1×1157.4cm
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制作年 |
明和4年(1767)頃
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受入年度/種別 |
平成04年度/購入
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分類 |
近世までの絵画
浮世絵版画/近世版画
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所蔵品番号 |
2925015
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若沖のブレーン的存在であった大典の跋を伴う。明和4年(1767)春、大典は若冲とともに淀川を大坂まで下った。その川下りをもとに大典が詩を、若冲が景色を描いたもの。
彫り残した描線に墨をつけて刷りだす普通の木版画では紙の白地に線の部分が墨で表されるが、逆に墨の黒い面を地として、線を白く表している。碑文の拓本が黒地に白い文字を表すのと同様である。碑文と同様に陰刻で木版に文字を彫り込む正面版による法帖が中国を手本に元禄年間(1688-1704)以降に日本でも出版されるようになった。その手法が書から絵画に応用されたものだろう。墨を重ねた光沢は拓本の烏金拓に近い。中国明時代の万暦版『蘭亭修禊図巻』『麻姑仙壇賦』等は濃墨の背地に、輪郭線を白く取り、モチーフを薄墨で表す点と、水の流れが両面中央にある点とで『乗興舟』と近く、影響を与えた可能性がある。正面版で唐様の書が広まったため、手法そのものが中国趣味に給びついている。 (『千葉市美術館 所蔵作品100選』 2015年)
彫り残した描線に墨をつけて刷りだす普通の木版画では紙の白地に線の部分が墨で表されるが、逆に墨の黒い面を地として、線を白く表している。碑文の拓本が黒地に白い文字を表すのと同様である。碑文と同様に陰刻で木版に文字を彫り込む正面版による法帖が中国を手本に元禄年間(1688-1704)以降に日本でも出版されるようになった。その手法が書から絵画に応用されたものだろう。墨を重ねた光沢は拓本の烏金拓に近い。中国明時代の万暦版『蘭亭修禊図巻』『麻姑仙壇賦』等は濃墨の背地に、輪郭線を白く取り、モチーフを薄墨で表す点と、水の流れが両面中央にある点とで『乗興舟』と近く、影響を与えた可能性がある。正面版で唐様の書が広まったため、手法そのものが中国趣味に給びついている。 (『千葉市美術館 所蔵作品100選』 2015年)