作家名 |
葛飾 北斎
かつしか ほくさい
KATSUSHIKA Hokusai
[1760-1849]
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作品名 |
千絵の海 総州利根川
ちえのうみ そうしゅうとねがわ
The Tone River in Soshu Province, from the series One Thousand Pictures of the Sea
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技法/材質 |
中判錦絵
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寸法 |
17.8×24.4cm
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制作年 |
天保4年(1833)頃
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受入年度/種別 |
平成12年度/購入
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分類 |
浮世絵版画/近世版画
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所蔵品番号 |
1000002
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北斎は川や海の船を、しばしば風景画の題材として選んだが、各地の漁をテーマとしたこの「千絵の海」のシリーズは、工夫された描写のみならず、風景画の題材とするには珍しい土地を取り上げていることでも新奇の趣向となっている。全10図のうち、特に本図と「総州銚子」、「下総登戸」は、珍しい下総を取り上げた作品である。
本図では、利根川に浮かぶ小舟で、漁師が一人、四つ手網(よつであみ)により漁をしている。足を使って網を操る漁師の様子には現実感があり、北斎が実際に見た姿を描いたものと察せられる。四つ手網を透かしてその向こうの景色を見せる趣向は、歌麿の作品(No.104)などにも見られるが、北斎が最も現実的に生活感ある光景を描いていると言えるであろう。摺も凝ったもので、波立つ川面や、透けて向こうを見せる四つ手網のぼかし摺は特に美しく仕上げられている。
本図では、利根川に浮かぶ小舟で、漁師が一人、四つ手網(よつであみ)により漁をしている。足を使って網を操る漁師の様子には現実感があり、北斎が実際に見た姿を描いたものと察せられる。四つ手網を透かしてその向こうの景色を見せる趣向は、歌麿の作品(No.104)などにも見られるが、北斎が最も現実的に生活感ある光景を描いていると言えるであろう。摺も凝ったもので、波立つ川面や、透けて向こうを見せる四つ手網のぼかし摺は特に美しく仕上げられている。