千葉市美術館30周年

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美術館ボランティアワークショップ「ボランティアと楽しむ はじめてのエッチング」

2025.4.1 美術館ボランティアスタッフ

2024年度に開催したボランティアワークショップを報告いたします。
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2025年3月30日(日曜日)に美術館ボランティア有志による銅版画勉強会「ほる*する」のみなさん主体で
「ボランティアと楽しむ はじめてのエッチング」を開催しました。当日の様子を写真を中心に報告します。

まずは、銅版画勉強会について紹介、スタッフ自己紹介、ワークショップ概要についてご案内後、絵の転写から彫りまでの工程について実演を交えた解説を行いました。

その後、事前に準備していただいた下絵をしっかりなぞり、銅版に下絵を転写しました。


6センチ×9センチであらかじめ下絵を準備しておいていただきました。

下絵を水に潜らせたあと、プレス機をつかって銅版に下絵を転写します。転写後はいよいよ彫りに。

転写後に、鉄筆で版を彫っていきます。


彫りながら、点描を加えたりなど工夫をされていた参加者の方もいらっしゃいました。

50分ほど彫り作業をすすめ、その後お昼休みです。
お昼休み中にスタッフが作品を腐食液に入れ作品の腐食をおこない、休憩明けまでに作品を取り出した後、水洗いをして銅板の乾燥の工程まで行いました。

腐食後は、版の表面がマットな質感に変わっています。

インクを詰める前に筆洗油で銅版を拭き、防蝕剤を落とします。今回はテーパー後の版を使ったため、きれいな銅版の色に感激する方も。

次は、インク詰めです。
まずは実演を見ていただいた後に参加者のみなさんもチャレンジしました。

寒冷紗を使って、詰めたインクを拭う時のポイントも説明しました。

周りの方とコミュニケーションをとりつつ、インクを詰めていきます。


寒冷紗で丁寧にインクを拭っていきます。

インクを詰めたら、いよいよプレス機で刷っていきます。刷り上がるたびに歓声が!

3,4人分ずつ丁寧に刷っていきます。

刷り上がりをみんなでチェック。

今回は試し刷り用の紙を2枚、質の高い紙で2枚プレスしました。みなさんとっても素敵な作品に仕上がりました。


インクの残し具合を調整しながら、刷りを楽しみます。

用紙が変わると、印象も変わりますね。


版は同じでも、インクの拭き取りや紙の質感によって、おなじものは1枚もありません。


版を置く位置も調整しながら、プレス機を通しました。

最後に、「自分の作品で一番のお気に入り」を並べ、お披露目会を行いました。

1日という短時間で仕上がったとは思えない、素敵な作品ばかりです。


みなさんの笑顔が絶えないお披露目会でした。

最後のお披露目会では、一言づつワークショップについての感想をいただきました。
参加者の方から「美術館での鑑賞の視点が増えた」というコメントがあったこともとても嬉しかったです。
1日を通して、参加者のみなさんもスタッフも、互いに笑顔が見られるワークショップでした。

ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

 

参加者からの声
・初体験のエッチングでドキドキでしたが、とてもわかりやすくご説明いただき作品を完成することができました。
・初めての体験でしたが、サポートがよく楽しく作れました。
・ボランティアの方から丁寧に教えていただいた。とてもわかりやすかった。褒め上手の方が多くただただ楽しく制作できた。
・はじめての体験で、プレス機を使ったり、やり方を一から体験でき楽しかったです。
・他の技法(のワークショップ)もあれば参加したい!と思うほど大満足でした。ありがとうございました。
・なかなかエッチングをやる機会はないので、とても良いワークショップでした。

(報告者:ワークショップ担当 上田美里)

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