2024年度に開催した、つくりかけラボ15 「齋藤名穂 空間をあむ 手ざわりハンティング」 関連ワークショップ&トークイベントを報告いたします。
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2024年8月6日「Weaving Tactile Gradation 手ざわりのグラデーションをあむ」をつくりかけラボの中で開催いたしました。このイベントでは齋藤名穂さんが尊敬し共感する二人の作家、アロナ・チジェンコさんと大月ヒロ子さんをお招きしました。お二人にそれぞれワークショップを主導していただき、あいだに三人のトークを挟むという少しおもしろいスタイルで進んで行きました。
参加者層はお子さんから大人まで幅広い層の方にご参加いただきました。
ウクライナ出身のアロナさんのワークショップでは、天井近くから縦糸を何本も編まれたネットが用意されました。参加者は自分が感じる手触りをそこに自由に編み込んでいく、というもの。使う素材は美術館に集まった布やリボン、ボタンなど。
今回のラボでは、来館者の方々にご協力頂き、ご家庭で余った布やリポン、ボタンなど様々なテキスタイルを寄付していただきました。参加者はそれらを存分に使って作業を始めます。
大月さんのワークショップでは、手ざわりのグラデーションをテーマとし、三角形と四角形の小さなピースの上に、参加者それぞれが感じる手ざわりのグラデーション、例えば「ツルツル」から「ざらざら」へ、などを様々な素材を使って表現していきます。
いったん作業を終えたあと、三人を囲んだトークがはじまりました。話題の中心となったのがアロナさんと大月さんがどのようにこのワークショップの内容を決められたのかということでした。アロナさんは、編み込む、ということで参加者それぞれのストーリを紡いでいくイメージを目指され、大月さんは手触りそのものの面白さに注目し、手触りのグラデーションを小さな紙片に表現するという方向性を考えられたそうです。
トークを終え、参加者それぞれが制作したものを説明する時間が作られました。一つ一つの作品を齋藤さんや参加者が触っていき、また話題が深まっていきました。
アンケートより抜粋:
「あたたかいふんいきで つくる・はなす・きくを楽しむことができました」
「触覚からはじまる創造に気づく事ができました」
「『手ざわり』をキーワードに考えることがほぼはじめての経験だったので、脳が活性化した気がします。皆さんのお話しをきくのも楽しかったです。ありがとうございました!」
(報告者:つくりかけラボ運営担当 樽谷孝子)