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『認知症きほんのき~認知症が身近になるアートの時間~』を開催しました

2024.7.19 みんなでつくるスタジオ

2024年度に開催した、ワークショップパートナーによる企画を報告いたします。
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2024年7月6日(土)『認知症きほんのき~認知症が身近になるアートの時間~』を開催しました。

今回はどなたにも安心して過ごしていただきたいという目的から、会場内にいつでも誰でも休憩することができるカームダウンスペースを用意しました

また、事前に千葉市あんしんセンター(地域包括支援センター)を訪ねて社会福祉士さんにお話を伺う機会を頂いたりかさねて認知症へのヒントをもらえるような資料を頂くなど、お力添えを賜りました。

そうして迎えたワークショップ当日。認知症がある人と、その家族(ここでは、血縁や距離感にかかわらず、相手との関係性をつくろうとする人の意味)。 双方のまなざしの行き来を大きな目的として、プログラムは進んでいきました。

前半は、スライドレクチャーで認知症の基礎理解を深めていきました。認知症とはどんな症状なのか、身近な人が認知症になったとき、周囲の人はまずどこで情報を得ていけば良いのか。知っているようで意外と詳しくは把握できていない、基本の「き」の部分を確認していきました。

レクチャーの合間合間には、聴き上手な親友を心の内側につくるような感覚を味わっていく、クレヨンを用いたミニアートワークを挟んだり。『共感的姿勢を体験する』ちょっとしたロールプレイングも行いました。

認知症がある人やそのご家族がいつの間にか背負ってしまいがちな「家族は双方に共感しあわなければ」という重荷。その重荷を降ろすためのひとつのキーワードとして、「テクニックとしての共感」があります。
「共感」(的な態度や姿勢)を自分も相手も守るための「テクニック」として捉え、活用していく。
そんな介護の現場から生まれた知識や知恵に触れることで、参加者さんも段々と肩の力が抜けていくようなご様子でした。

そうやって、認知症を自分ごとに近づけながら、ご自身と、そして他者との対話を深めつつ、後半は生きかたやまなざしを広げていくようなコラージュ表現を体験していきました。

手を動かし始めれば、どなたも無我夢中。

それぞれの写真や切り抜きに、お一人お一人のこだわりや想いが込められ、作品が生まれていきました。本当は全員分掲載したいところですが、何人かの方の作品をご紹介してみます。

(画像をクリックすると大きく表示されます)

コラージュ制作後のグループシェアでは柔らかな笑顔になっている方も多く、「認知症」や「介護」という肩に力が入りがちなテーマを取り扱ったワークショップではありましたが、明るく軽やかな空気の中終わることができました。ご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました。

次回の開催は年明け頃を予定しています。興味を持ってくださった方は、ぜひ気軽にご参加ください。お待ちしています。

参加者からの声(アンケートより抜粋)

・認知症のわかりやすい説明から、実際にロールプレイング、感じるアートワークがよかった。コラージュ作成は夢中になった。 
・無心に心おもむくままにできたコラージュ制作と、皆さんの作品を拝見できて楽しかった! 
・家族だからこそやってしまうことや期待してしまうことがありますが、ロールプレイングで行ったテクニックを心に留めていきたいと思いました。 
・認知症について、新しい視点を持てた。共感にはテクニックがあるんだと知った。 
・実習に使用した、絵の具で彩られたた紙やコラージュ素材など、あちらこちらに心配りが素晴らしく、安心して学べた。 
・認知症の学びと実践、アート制作がバランスよくできて、その双方の関係を体験できた。 
・認知症理解に大変勉強になった。発達障害や高次脳機能障害にも同じことが言えるのかもしれない。 
・自分自身にストレスが多く、「大切なものは?」と考えながら手が止まった。また参加したい。 
・イラスト入りの認知症の資料などがわかりやすく、貴重な機会だった。

(報告者:高橋恵子 )

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