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「絵の世界を旅する体感型美術鑑賞 ~カラダを通して味わうアート vol.8~」を開催しました

2023.3.13 みんなでつくるスタジオ

2022年度に開催した、ワークショップパートナーによる企画を報告いたします。
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2023年226日(日)に「絵の世界を旅する体感型美術鑑賞」を開催しました。
まずは、ストレッチや想像力を使った遊びで、心と体をほぐしました。

続いて、絵の登場人物になってみることを通じて作品を味わっていきます。準備として、自分が過去に体験したことをやってみることで、身体の感覚を呼び覚まします。その後、絵をじっくり観察し、同様のやり方で、絵の登場人物になってみます。

絵の世界に入っていく感覚をつかんだら、常設展示室で鑑賞を楽しみました。みなさん、絵の世界に入っていきながら、真剣に見入っていました。休憩中も熱心に見て回る様子が見られました。

鑑賞後、普段の鑑賞との違いをグループで共有しました。各グループ、和やかに、時に笑いもありながらお話しをされていました。

今度は、作品から受けとった感覚を表現することを通じて作品を味わっていきます。準備として、想像を刺激する装置が置かれた会場を歩きながら、スピード・方向・重さを変えたり、登る・くぐる・押す・引くといった動きをしたりすることで、さまざまな質の動きを体験しました。

そのまま、若林奮の彫刻作品の中に入って動くイメージで、自分が受けとった感覚で動いていきました。その後、グループでそれらの動きを組み合わせて、作品から受け取った感覚を1つの表現として形づくりました。

年代順に、2つの作品について、グループ毎に全体で共有しました各グループの発表が終わるたびに、感嘆の声が漏れ、大きな拍手が送られました。私も、同じ作品でも、個々人が受け取ったさまざまな動き、それらが組み合わさったときに生まれるストーリーに驚き、感動して、言葉を失いました。

最後に、改めて展示室で作品を鑑賞した際に、仲間の表現から刺激を受けて、「あぁ、こんな部分もあったんだ」といった新しい発見とともに、作品と出会い直しているようでした。
さまざまな時代のさまざまな形式(絵画・彫刻など)の作品の鑑賞において、身体を動かしてみることで、作品に近づき、仲良くなれるような体験をすることができました。
また、他者と一緒に鑑賞をすることで、視点の違いによって、新しい発見が生まれる喜びも感じていらっしゃいました。
本ワークショップでの体験を通じて、今後もさまざまな作品と出会い、より豊かな美術鑑賞を楽しんでいただけたらうれしいです。
今回のワークショップにて、「絵の世界を旅する体感型美術鑑賞~カラダを通して味わうアート~」は一区切りとなります。オンライン5回、対面3回と実施させていただき、ご参加いただいたみなさま、サポーターのみなさま、ありがとうございました。
この8回のワークショップで、参加者のみなさまと一緒にアート・美術鑑賞を通して体験したことは、本当に楽しく、たくさんの学び・気づきをいただきました。
身体を動かすことは、自分の記憶・体験・感覚につながることを可能にし、鑑賞において、自分と美術作品とが「出会う」機会になったと思います。その際、自分の中から湧き起こった表現に、時に自分でも驚き、作品の登場人物・世界と、時間や空間を超えてつながるきっかけになったのではないでしょうか。
作品をつくった人(アーティスト)の表現が、みなさんに影響を与え、それを受け取ったみなさんが表現したことが、他の誰かに影響を与える、という、想い・願い・疼きが響き合っていくことは、アートや表現が持つ力であり、人の想像力の力だなぁと実感しています。
また、どこかでお目にかかれたらうれしいです。ありがとうございました

 

参加者からの声
・作品の鑑賞の仕方が変わった。グループで共有する難しさと楽しさ、想像の幅が広がった
・見たものを、身体で表現することと、口頭で表現することの違いを感じた
・美術作品と、もっと自由に接していいのだということに気がついた
・視点がそれぞれ違うこと、「わからない、わからない」という私の声をグループの方に認めてもらえたことが心に残っている
・絵を一人で見ることが多かったが、いろいろな方の考え・表現に触れ、新鮮な目で絵を見られるようになったと思った

 

(報告者:高橋 直裕

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