2022年度に開催した、ワークショップパートナーによる企画を報告いたします。
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2022年11月27日(日)に「絵の世界を旅する体感型美術鑑賞」を開催しました。
まずは、ストレッチや想像力を使った遊びで、心と体をほぐしました。
続いて、【体感型鑑賞①】絵の登場人物になってみることを通じて作品を味わっていきます。 準備として、自分が過去に体験したことをやってみることで、身体の感覚を呼び覚まします。
その後、同様のやり方で、絵の登場人物になってみます。
絵の世界に入っていく感覚をつかんだら、常設展示室で鑑賞を楽しみました。 みなさん、絵の世界に入っていきながら、真剣に見入っていました。
今度は、【体感型鑑賞②】作品から受けとった感覚を表現することを通じて作品を味わっていきます。 準備として、会場を歩きながら、スピード・方向・重さなどを変えることで、さまざまな質感の動きを体験しました。
そのまま、李禹煥の「ドローイング」に表れる線の質感を、動きで表現していきました。
その後、グループでそれらの動きを組み合わせて、作品から受け取った感覚を1つの表現として形づくりました。 年代順に、4つの作品について、全体で共有しました。 作品から受け取った創造性に溢れた表現に、心が震えました。
最後に、展示室で作品を鑑賞した際には、みなさま、じっくりと嚙みしめるように作品と対峙し、味わっていました。 どのような時代の作品の鑑賞においても、身体を動かし、感覚を呼び覚まし、想像力と創造力を発揮することで、作品に近づき、仲良くなれるような体験をすることができました。 ワークショップでの体験を通じて、今後、より豊かな美術鑑賞を楽しんでいただけたらうれしいです。 ご参加のみなさま、サポーターのみなさま、ありがとうございました。
参加者からの声
・やってみないとわからない。体で表現することにより、今までと違う楽しみ方ができるようになりました。
・自由な空気で、恥ずかしさなど、人目を意識せず、自然な気持ちで過ごせました。グループで共感ができ、皆が楽しんでいる感じがしました。
・美術への苦手意識があったが、「自分が好きなように観て、感じて、想像して楽しめばよい」ということを初めて体感できて、今後の人生が豊かになると思いました。
・現代アートの鑑賞の仕方へのヒントを頂けたように思います。Don’t think! Feel!!ですね。心が動きました。
・今日、今、この瞬間でしか生まれないアート。それぞれの参加者さんたちが持ち寄った人生の一端を集約したような時間でした。
(報告者:高橋直裕 )