2021年度に開催した、ワークショップパートナーによる企画を報告いたします。
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2021年10月31日(日)に「カラダを通して味わうアート vol.4」をオンラインで開催しました。
冒頭の自己紹介で、ワークショップへの期待を共有しました。コロナ禍によって家にいる時間が増えるなかで、家にいながら美術鑑賞ができることや、人とつながることを期待する声が聞かれ、ワークショップがスタートしました。
運動会を思い浮かべ、一場面の動きを繰り返しながら、体の感覚や湧いてくる気持ちを味わっている時の様子
毎回参加者から大好評のプログラムですが、今回は「人」が登場せず「動物」のみが登場する美術作品も味わっていきました。「動物」になってみることは、チャレンジングな点もあるかと思いましたが、参加者からは「想像力が刺激されて、ストーリーがあふれ出てきた」といった感想が聞かれるなど、伸びやかな1つ1つの表現と、それらを連ねて創ったシーンを堪能していきました。 このように、人が持つ想像力を発揮しながら、日常とは異なる体験をすることは、アート(美術や演劇)の魅力だなぁと、ファシリテーター自身も驚きとともに再認識しました。
動物が出てくる作品「四季花鳥図屏風」を鑑賞し、演じる動物を決めます
最後の感想共有では、大きく2つの感想が聞かれました。1つは、「美術作品を味わう際にファシリテーターが行った声かけ(サイドコーチ)により、感覚が開いていき、作品を立体的に味わうことができた」という声でした。各参加者によって、特に自分に響いた声かけが異なっていたことが印象的でした。もう1つは、「美術作品を、他の参加者と共に味わうことが楽しかった」という声でした。それぞれが持つ発想や、体験の感想を分かち合うことの喜びや感動が伝わってきました。
場面をつなぎあわせて、シーンを発表します。冬を越え、春の訪れを喜ぶシーンが生まれました
「アートに触れること」「人と分かち合い、つながること」は、私たちの人生に潤いをもたらしてくれることだと、改めて実感する機会となりました。 2月のワークショップでも、ご参加のみなさまと新しい体験ができることを楽しみにしています。
参加者からの声
・「これはすごくおもしろい!はまってしまいそう。平面の絵が立体になっていき、絵の中に入りたいなぁと思いました」
・「最後の声かけ:『思わずつぶやいてしまう言葉があれば、そのまま言ってみましょう』が、自分を深いところに導いてくれました」
・「声かけによって、肌で温度を感じるなど、感覚的なところが研ぎ澄まされていった。普段いかに目で見て、頭だけで絵を鑑賞しているかを実感した」
・「登場人物の呼吸・動きが感じられた。それらをグループでつなぎ合わせると、うまくつながるんだなぁと思った」
・「皆で鑑賞して、自分が感じたことを話したり、周りの人が感じたことを聴いたりすることで、自分の新しい面が引き出されると感じた」
(報告者:高橋直裕 )