2021年度に開催したワークショップを報告します。
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2021年7月24日(土)に、びじゅつライブラリー関連ワークショップ「おもいで色見本帳をつくろう」を開催しました。
びじゅつライブラリーは、4階にある図書室で、美術にまつわる本をたくさん揃えています。本を読むだけでなく、体験や創作をとおして美術や本を楽しんでもらいたいと思い、イベントやワークショップも開催しています。
今回は、ワークショップユニット「書架Lab.」(谷田幸+藤澤彩里)さんをお招きしました。本にまつわるワークショップを展開しているおふたりが、この機会に注目したのは、「見本帳」でした。
「見本帳」とは、色や紙を選んだりするときに、実際の発色や質感を確かめるための「サンプルブック」です。色見本帳にはたくさんの色が、紙見本帳にはたくさんの紙がまとめられていて、なにかをつくったり考えたりするときに、参考にすることができるのです。
この「見本帳」を原点に、ワークショップでは「おもいで色見本帳」を制作しました。好きな色の紙でつくった色見本帳に、その色と同じ色の「おもいで」を集めていく、世界にひとつだけの本です。
*このようなものを作ります。スタッフの試作品をちらっとご紹介。
まず、用意された32枚の色紙から、好きな色紙を20枚選びます。早々にいちばんの悩みどころ……かと思いきや、みなさん、すっすっと好きな色を選んでいました。好みやコンセプトがびしびしと伝わってきます。
色紙に透明の袋をつけていきます。これが、「おもいで」を入れるポケットになります。両面テープを剥がし、袋の位置を確認して、ぺたっ。同じ作業を、20枚ぶん繰り返します。
かたちになった台紙に、タイトルと日付を書くための欄を、消しゴムはんこで押していきます。この消しゴムはんこは、講師の藤澤さんが、すべて手作りしてくださりました。
色見本帳の表紙になる厚紙に、自由に絵を描きます。夏を意識したイラストがちらほら。
最後に、表紙と台紙をビスでとめて、「おもいで色見本帳」が完成! ぱらぱらっと台紙を広げ、それぞれどんな色見本帳ができあがったのか、会場を見て回りました。
ワークショップには、小学1年生から6年生まで、14人のみなさんが参加しました。準備中、小学生のみなさんには難しいだろうか……と思っていた作業も問題なく進み、とても充実したワークショップになりました。なにより、みなさんがとても楽しそうに制作に取り組んでいたようすが、心に残っています。
とても嬉しい、参加者のみなさんからの感想もご紹介します(アンケートより抜粋)。
「たくさんの色があって自分が好きな色をえらべてよかったです。」
「きれいな色をならべてグラデーションにするところが楽しかったです。」
「こういうこうさくをまたやりたい。」
「かわいいいろみほんちょうがかけてうれしいです。」
この夏をとおして、みなさんは、いったいどんな「おもいで」を集めるのでしょうか。世界にひとつだけの「おもいで色見本帳」が、みなさんと千葉市美術館をつなぐ1冊になりますように。
(報告者:ワークショップ担当 庄子真汀)