千葉市美術館
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比田井 南谷 ひだい なんこく
作品1(電のヴァリエーション)
墨、画箋紙/ 42.0×63.0cm / 1945年





比田井南谷(1912-99)は神奈川県生まれ。本名、漸。1922〜39年、父・天来について書を学ぶ。34年東京高等工芸学校印刷工芸科を卒業。39年、父の死に伴い書学院を継承。45年自らが「心線作品」と呼ぶ墨象を初めて制作。50年代半ばより欧米各地で個展、グループ展に出品する他、大学で書道史を講演する。55〜56年ヨーロッパ各地を巡回した「現代日本の書ー墨の芸術」に出品。58年国立近代美術館での「抽象絵画の展開」に出品。59年第5回サンパウロ・ビエンナーレに出品。戦前にも書学院で行っていた古碑帖の出版を69年に再開。81年東京都美術館での「1950年代ーその暗黒と光芒」に出品。87年ライフワークの『中国書道史事典』を出版。92年O美術館での「書と絵画の熱き時代・1945〜1969」に出品。

戦時中、長野県に疎開していた比田井南谷は試行錯誤の制作を重ねていた。その際、父・天来の「行き詰まったら古に還れ」という言葉を想い出し、中国の古典『古籀彙編』にあった「電」の字に触発されて本作品を制作した。戦前から天来の門人たちと結成した書道芸術社などを通じて因襲的な書道観の克服を目指していた南谷にとって転機となった本作品が1945年に制作されたことは、単に個人の制作史を超えて象徴的ですらある。文字性を解体して線による抽象へ書が進んだ最初期の作品であり、戦後の造形芸術全体の中でも重要な意味を持つ。彼は後に、重ねられた実作と海外での教育体験から「書の本質的な芸術性は線表現にある」ことを再確認している。



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