千葉市美術館
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菅井 汲
10秒前
油彩、カンヴァス / 200.0×160.0cm / 1967年




菅井は1919年神戸生まれ。32年大阪美術学校入学。37年阪急電鉄宣伝課に勤務し商業デザインに従事。47年中村貞以に日本画を学ぶが1年で門下を去り、翌年吉原治良に油絵を学ぶ。49年美術雑誌に紹介されていたポロックやカルダーの作品を見てアメリカ行きを考えたが、経費不足から行き先をフランスに変えた。52年パリへ発つ。59年リュブリアナ版画ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレに出品。62年頃より図案化した漢字を配したようなカリグラフィックな作品からシャープな輪郭を持ついわゆるハードエッジの作品に作風を変える。67年ポルシェ社の出した新型スポーツカーを買って乗り回していたが、ユーゴスラビアでのバカンスからパリへ帰る途中、追い越しに失敗して大事故を起こした。68年ヴェネツィア・ビエンナーレに出品。69年18年ぶりに帰国。以降日本とフランスを往復しながら活動。96年逝去。


《10秒前》は大事故の年に描かれた「オートルート」と呼ばれる高速道路をテーマとしたシリーズの一つ。滑走路のように平坦なヨーロッパの高速道路を疾駆する緊張と恍惚感は作者年来のテーマであり、この作品はまさに追い越しの瞬間に至るまでの緊張の高まりがテーマである。左半分の形状は道の向こうに上がってくる朝日を表し、M字型は眼前に延びる高速道路だろう。型紙で切り抜いたようなシャープな形状の組合わせでドライなスピード感を表現している。モータリゼーションは日常生活に自動車という新しいアイテムを持ち込んだが、それは美術の分野にも時代にふさわしいスピードの表現という新しい課題をもたらすことになったのである。


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