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鳥居 清倍 とりい きよます
市川団十郎の虎退治
大々判丹絵 / 54.3×33.0cm/正徳3年(1713)





虎を組みひしぐ二代目市川団十郎である。歌舞伎の荒事を「瓢箪足蚯蚓描(ひょうたんあしみみずがき)」という鳥居派独特の描法で描いた、勇壮な作品。荒事を描いた鳥居清倍の大々判作品としては、「竹抜き五郎」(東京国立博物館蔵)が著名であるが、本図はそれと比肩しうるレベルである。落款の様式は、ホノルル美術館蔵の「金太郎と熊」(荒事描写ではないが、同様の印章を有する)と類似するので、おそらく同一時期の制作と推定される。

鳥居清倍(生没年不詳)は、初代鳥居清信と並ぶ初期鳥居派を代表する絵師である。清信様式を発展させた勇壮感に満ちた役者絵、洗練された美人画を多数制作した。

清倍の作品は、宝永期(1704-1711)より確認されるが、最も精力的に作画するのは正徳期(1711-16)である。荒事の一種として、虎を引き裂く、虎を組みひしぐ、という演出は、かなり以前よりあったらしい。本図の考証を確定するのは難しいが、上演に即した制作とすれば、一案として、正徳3年正月山村座「石山源太鬼門破」における二代目市川団十郎の石山源太荒王という説を提示したい。評判記『役者座敷舞』の団十郎評に「山中殿虎のつな切てはなす時、くみ付下口を引きはなしたるすさまじさ」とあり、挿絵にも、団十郎の源太が虎の口を裂かんとする図が描かれているので、この丹絵のような演出があったことは明白である。このシーンは評判であったらしく、挿絵に「大あたり」と記され、団扇絵にもなっている。

もしも、上演に即した制作でない、とすれば、宝永末から正徳初め頃である可能性が大きい。



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