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長沢 芦雪・曽道怡 ながさわ ろせつ・そ どうい
花鳥蟲獣図巻
絹本着色一巻 / 33.0×371.4cm/寛政7年(1795)





    (部分)



長沢芦雪(1754-99)は武士の子として生まれるが、円山応挙の門人となり画家として京都で活躍した。応挙の画風を基礎に、それを豊かに変容させ、機知に富んだ個性的な作品を多く残した。

本図は、阿波出身の僧、曽道怡が得意の墨竹を描いて、芦雪が草花・鳥・虫・動物を描き加えた画巻である。その制作状況を京都の儒学者で芦雪・道怡と交際のあった当時の文化人皆川淇園(1735-1807)が書き記している。ほぼ同じ文章が『淇園文集』巻六にも載る。

「此巻其初曾道怡居士作竹令長澤/蘆雪添花卉?毛及蟲獣蘆雪毎/作一者輙詣於居士寓求飲凡四五/十飲而巻就矣而其點綴之妙初/相謀以構製者居士竹固妙而蘆雪/巧於繪思者吾於此見其超凡庸/者不啻下數十等云乙卯十月廿/日平安皆川愿題」

淇園の文章によると、芦雪は少し描いては道怡の住まいを訪ねて酒を出してもらうということを繰り返し、4、50回も飲んで完成したという。基本的に道怡が先に墨竹を描いたといっても、そこに付け加えた芦雪の絵に更に道怡が描きたすような状況も考えられ、箇所により芦雪の絵が先に描かれたように見えるのも無理はない。

子犬の後ろ向きのポーズはすでに師応挙も描いたものだが、芦雪はそれを一筆書きのようにややデフォルメして描いている。小さく描きこまれた蟻や蜘蛛は巻物形式という手にとって近い距離から見つめる画面形式にふさわしいものだが、当時流行していた博物学との関連を考えることもできそうだ。薔薇のピンクや、オウムの赤などの色彩も美しく、制作年代のわかる貴重な作品である。



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