千葉市美術館
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鳥居 清長
美南見十二候 九月(漁火)
大判錦絵 / 37.9×25.4cm / 天明4年(1784)頃




「美南見」とは、南の遊所すなわち品川のことで、北の吉原に比べ格式には劣る場所とされていたが、海に面したこの里の開放的で気楽な風情もまた愛されたようである。

当初品川遊所の十二ヶ月の風俗を大判二枚続十二図揃として刊行しようとしたものらしいが、何の支障あってか、二枚続で出版されたのは春三月から八月までで、九月は一枚、十月以降二月まではついに未刊のままで終わったらしい。清長の代表作としてよく知られる作品でありながら、伝えられる版は非常に少なく貴重である。

九月は「漁火」または「いざよう月」とも呼ばれ、他の図にはない哀感ただよう情趣が愛されてきた一図である。連子窓を通して秋の景物である十六月(褪色により形はわかりにくくなっている)の出る夜景を眺めている遊女は、畳の上で文を読みくつろぐ二人とは対照的に愁いを帯びて見える。闇の景色でも近・中・遠景がきちんと描写されており、遊所近くに茂る松から、闇に浮かび上がる朱色が効果的な中景の漁火、そして入江の対岸と、奥深い背景表現がこの図の風情を高めている。



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