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喜多川 歌麿
納涼美人図
絹本着色一幅 / 39.5.×65.6cm/寛政6〜7年(1794-95)頃





浮世絵といえば、まずその名が想起される一人であろう喜多川歌麿(1753-1806)は、その生前より現代まで美人画の大成者としてゆるぎない地位を誇っている。

この歌麿の画業は、広く人々を魅了したおびただしい数(3500点ほど)の浮世絵版画を通して語られることが多いが、一方で少数ながら肉筆画の優品を残している。中でも名品として第一に挙げられることの多かったのがこの作品で、戦前に重要美術品の認定を受けている。

新潟の旧家に伝えられた作品で、江戸時代、この家の七代目の主人が江戸へ旅した際に、歌麿に頼んで描かせたという伝来を持つことでも貴重である。並んで賞される「立姿美人図」(東京国立博物館寄託)もまた同家の所蔵であり、本図とほぼ同時期に成立したものと思われる。

唐風の模様の水花盆を傍に、襟を開き、足をくずした、しどけない姿の美人がゆったりと座している。撫子の描かれる団扇で体に涼を入れる女の風情は、実にあでやかでしっとりとした魅力がある。薄衣からは、白い肌や赤い襦袢が透けて見え、さらになまめかしさを増しているが、寛政中期の歌麿美人の特色の表れるたおやかな顔の表情は、決して画品をおとしめない。幸いにして保存状態は完全に近く、丁寧細緻に引かれた線や色彩の筆運びひとつひとつが生々しく観察できる。寛政中期といえば、版画においても名品が次々と生み出された時期であったが、最盛期、歌麿の筆力のさえる肉筆の希品である。


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