千葉市美術館
サイトマップホーム

展覧会情報
所蔵作品
房総ゆかりの作品
近世・近代の
  日本絵画・版画
現代美術
イベント
教育普及
ご利用案内
施設案内
出版物
その他
コレクション



無縁寺心澄
街と海
水彩・紙 / 58.5×76.3cm /制作年不祥




千葉市内であることはほぼ間違いないが、それ以上のことはよくは分からない。太く荒々しい線がびっしりと連なり、家が、柵が、土坡が、叢が、そして電柱が描き込まれている。その境界は必ずしも判然としない。最初に薄く塗られたかにみえる色面は、またたくまに強く太く容赦のない線に凌辱されていくが、それを咎めるでもない穏やかな暖かさを湛えている。遠くに海が見える。その上は、重苦しい藍色の空である。だだっ子のように激しく不安げで、どこか切なさの漂う風景が、無縁寺心澄の魅力である。画面上、絵具を削り取ったようになっている部分は、爪でひっかいた跡であり、そのため親指と人差指の爪はいつも斜めに減っていたという。

無縁寺心澄は、明治38年(1905)千葉市赤井町の生まれ、本名藤井茂樹。東京の川端画学校で日本画を学んだ後、昭和2年東京のザンボア図案社に勤務しながら水彩画を学ぶ。昭和3年<夾竹桃の咲く河岸>で帝展初入選。白日会・日本水彩画会等でも活躍するが、昭和7年頃より中央画壇と縁を切り専ら千葉市を中心に活動を続ける。昭和20年4月22日、40歳で死去。


  ページトップへ